鉄板のたわみ・腐食に即応!水切り炉発生機の緊急メンテナンス(茨城県つくば市)

塗装ブース排気ファンの不具合は、製品の品質低下や作業環境悪化を招くリスクがあります。今回は、緊急対応として水切り炉発生機の修繕を含む包括的なメンテナンスを実施しました。以下、その詳細をご報告します。

緊急対応:水切り炉発生機の異常調査と応急処置

今回のメンテナンスは、塗装ブース排気ファンの異常警報から始まりました。現場確認の結果、水切り炉の発生機にも不具合が波及しており、異常振動と温度上昇が確認されました。最優先で異常調査を実施し、各部品の摩耗・腐食を確認。特に内部鉄板の劣化が進行しており、早急な張替えが必要と判断。作業環境の安全確保と生産ライン停止の最小化を両立させながら、迅速に応急処置を講じました。

発生機内部鉄板の全面張替:腐食対策と耐久性向上を両立

発生機内部の鉄板は、長年の使用による湿気・薬品ガスの影響で著しく腐食していました。今回は全面的な張替作業を行い、材質には耐腐食性の高い鋼材を採用。施工中は火気使用に伴う防火措置を徹底し、養生および換気管理を実施。交換後は機密性と強度が大幅に向上し、長期的な安全運転とメンテナンスコストの削減が見込まれます。腐食性環境下では定期的な目視点検と腐食進行度の記録が重要です。

床板補強材の追加取付:振動対策と荷重分散を実現

排気ファンと発生機に共通して課題となっていたのが「床板の揺れ」でした。とくに発生機底部では振動源との共振が起こりやすく、機器の早期劣化リスクが高まっていました。そこで鋼材による補強材を新設し、荷重分散と揺れの吸収性を向上。取付後の振動測定では、最大振幅が約40%低下する結果となりました。このような構造補強は、異常再発の予防にも非常に有効です。

運転立会い調整:最終確認と安定稼働の確保

修繕作業完了後、運転立会いのもと各機器の動作確認と調整を実施しました。ファンの回転数・風量・振動・温度上昇値をリアルタイムで計測し、基準内であることを確認。特に排気ファンの吸引性能が改善されたことで、ブース内の粉塵濃度が明らかに低下。作業環境の改善が目視でも確認でき、品質と安全性の両立が図られました。今後はこの数値を基準に保守計画を見直す方針です。

担当者所感

今回の緊急対応では、現場の判断力と迅速な意思決定が安全と生産継続の両立に直結することを改めて実感しました。設備の老朽化が進む中、予防保全の重要性はさらに高まっています。今後は点検データの見える化と、各設備の劣化シミュレーションを活用し、トラブルを未然に防ぐ提案を強化していきます。お客様の安心・安全なものづくりを技術で支えてまいります。

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