高所作業を伴うコンベアレール交換の全体概要
今回は、塗装ブース前処理装置のコンベアレール交換取付工事を行いました。本工事は高所作業を伴い、2日間にわたる計画的な工程で進められました。対象は既設のコンベアレール(約26m)で、老朽化による搬送精度の低下や、安全性の懸念が発端です。
作業内容は、既設レールの撤去から新規レールの取り付け、吊り材・補強材の取り付け、そして試運転および搬送調整(テークアップ調整)に至るまで多岐にわたり、経験と技術力が要求されるものでした。
特に、搬送ラインの安定性確保と、吊り材の強度設計・施工精度が、今回の成功の鍵となりました。




レール撤去から取付までの具体的な工程
初日は既設レールの撤去作業に注力しました。既存の構造との干渉を最小限に抑えるよう、手作業と機械を併用しながら慎重に対応しました。既設構造物と干渉する部分は現地で切断調整を行い、安全かつスムーズな作業進行を意識しました。
新規レールの設置では、事前に測定した芯出しデータを基に、高所作業車を用いながらミリ単位の精度で据え付け。吊り材および補強材は、搬送荷重に耐えるよう適切なピッチと材質で設計されており、施工時には二重確認のもと取り付けを行いました。
試運転とテークアップ調整の重要性
工事の最終工程として行った試運転およびテークアップ調整は、最も神経を使う作業の一つです。搬送チェーンのたるみや、コンベアの異音・振動の有無をチェックし、全長26mのラインが均一に動作するように調整を行いました。
テークアップとは、チェーンの張力を自動調整するための装置で、これが不安定だと搬送ムラやライン停止の原因となるため、正確な張力調整が必須です。今回の現場では、レールの傾斜角度も考慮しながら調整を実施し、最終的にはスムーズな搬送が確認できました。


担当者所感|安全と精度が求められる現場
今回の工事は「高所作業と長尺搬送ライン」という2つの難所を同時にクリアする必要がある現場でした。特に、吊り材の強度確保と、レール芯出しの正確性には最大限の注意を払いました。
試運転段階でのトラブルもなく、スムーズに稼働まで漕ぎ着けたことは、事前準備の徹底と、チームの連携の賜物です。お客様からも「以前より静かで滑らかに搬送されている」との評価をいただき、非常にやりがいのある工事となりました。
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