【施工事例】排気ファンのSUS製側面パネル交換工事を行いました(埼玉県春日部)

SUS製側面パネル交換工事とは

今回行ったのはターボ水洗ブースの両側面に設置されているステンレス製(SUS)パネルの交換作業です。これらのパネルは、ブース内部の水と塗料ミストに常に晒されており、経年劣化や腐食により密閉性や安全性に支障をきたす恐れがあります。交換対象のパネルは左右両面で、ブース全体の吸排気効率と清掃性の向上を目的としたリニューアルです。耐久性に優れたSUS材を採用することで、長期的な保守性と衛生面の改善も狙っています。

既存パネルの撤去と下準備

まず最初に行ったのが既存パネルの撤去作業です。長年使用されていたパネルはネジ部が腐食しており、慎重な取り外しが求められました。SUSは硬度が高いため、新規取付け前にパネル固定部やブース母材の状態も綿密に確認しました。この工程で重要なのは、ただ外すだけでなく、「新パネルが正確に取り付けられるための状態作り」です。錆びやシール剤の残留があると、密閉不良や騒音・振動の原因になるため、念入りな清掃と調整を実施しました。

L型折り材とパネル取付穴の精密加工

SUS製パネルとブース本体を安定して接続するために、L型の折り材(補強材)を事前に設計・準備しました。このL型材は、ブースの湾曲やわずかな歪みにも対応できる柔軟性と強度が求められ、設計通りにいかない現場調整も必要になります。また、パネルや補強材に正確な取付穴を加工する工程では、誤差±1mm以内での施工を実施。現場ではレーザーレベルや治具を活用し、取り付け時のズレを最小限に抑える工夫をしました。これにより、ブース内の気流や排気効率に悪影響を与えない施工が可能となります。

パネル交換・取付け作業の実際

穴加工と補強が完了したら、いよいよSUS製の新パネルを現場に合わせて取り付けます。パネルの重量や硬度、さらには狭所作業となるため、2名以上での連携作業が必須となります。さらに、防水性・密閉性を保つために、耐薬品性の高いシーリング材を使用。パネルの隙間からの漏れや腐食リスクを低減します。今回は特に、ブース内外の段差を極力減らし、メンテナンス時の洗浄作業効率も考慮した配置を意識しました。結果として、外観も機能も向上した施工が実現しました。

試運転立ち会いと最終調整

工事完了後は、排気ファンおよびブース全体の動作確認を兼ねた試運転を実施しました。実際に塗料ミストを想定した送風試験を行い、排気効率・静音性・振動レベルなどを計測。また、吸気と排気のバランスが取れているか、パネルの密閉状態に異常がないかなどもチェック。細かな再調整を経て、お客様立ち会いのもと無事に試運転は合格。「以前より音が静かになった」とのご評価もいただきました。

担当者所感

今回の作業では、SUSパネルという高精度かつ重量のある部材の取り扱いに加え、現場の寸法精度と時間管理が非常に重要でした。狭い作業スペースでの施工と安全管理、周辺機器との干渉調整など、メンテナンス技術者として多くの知見と経験を活かす機会となりました。また、お客様の「長期的に安心して使えるブースにしたい」という声を形にできた点は、技術者冥利に尽きると感じています。今後もこうしたアップグレード型のメンテナンス提案を積極的に行ってまいります。

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