固定型乾燥炉(W3.2M)を分解整備+バーナー機構の総点検(東京都葛飾区)

固定炉のオーバーホール:本質的な性能維持のための第一歩

今回はW3.2M間接熱風固定型乾燥炉に対し、全面的なオーバーホールを実施しました。長期間にわたり運転された炉内には、塗料ミストや粉塵などが堆積し、内部構造に悪影響を及ぼしていました。具体的には、炉内外の徹底的な清掃、燃焼室内の部分解体と精密清掃、循環ファンおよび排気ファンの分解清掃を行い、蓄積した汚れを除去。さらに、異常個所の有無を点検し、最終的に試運転に立ち会いながら、風量や燃焼状態を調整しました。乾燥炉のオーバーホールは、単なる清掃ではなく、工場全体のエネルギー効率と安全性を守るために極めて重要です。

排気ファンメンテナンス:性能低下を防ぐための分解清掃

塗装ブースの排気ファンは、常に揮発性有機化合物(VOC)や塗装ミストに晒されているため、定期的な分解清掃が不可欠です。今回の作業では、ファンブレードに大量の塗料カスと粉塵が付着しており、風量の低下と異音の発生が見られました。これに対して、ファン全体を分解・脱着し、洗浄剤と高圧洗浄機で徹底的に汚れを除去。ベアリング部にも注油・調整を行い、回転バランスの最適化を図りました。メンテナンス後の風量測定では、基準値まで回復し、異音も解消されました。排気ファンのメンテナンスは、塗装品質を保つと同時に、作業環境の安全性を維持するカギを握っています。

バーナ点検:燃焼効率を守るプロフェッショナルの仕事

乾燥炉のバーナ部も点検対象として分解整備を行いました。点検の結果、バーナ本体および内部には多量のカーボン汚れが確認されました。これにより燃焼ムラが発生し、乾燥効率に影響を及ぼしていたと判断。すべての構成部品を丁寧に清掃・整備し、再度組み上げて燃焼状態を調整しました。燃焼試験では、火炎の安定性・ガス圧・点火状態すべてが良好であることを確認。バーナは炉の心臓部とも言える存在であり、定期的な点検とオーバーホールにより、長寿命かつ安全な運転が実現します。

担当者所感

今回の作業では、想定以上に各部の汚れが進行しており、もしこのまま運転を続けていれば、ファン破損や燃焼異常、最悪の場合は火災などのリスクもあり得ました。定期点検を怠ると、トラブル発生時の復旧コストが膨大になるだけでなく、生産停止という最悪の事態を引き起こします。今回のような徹底したオーバーホールと点検は、リスク回避と工場の持続的運用の両面で非常に価値があると改めて感じました。これからも、「壊れる前の予防整備」の重要性をお客様にしっかり伝えていきたいと思います。

お問合せはこちら

塗装ブース、乾燥炉、コンベアなど、工業塗装設備に関するトラブルを解決します。異音や定期メンテナンスの実施など、少しでも気になる点がございましたら、まずは私たちにご連絡ください。

TOP