塗装ブースの循環ファン、定期点検で性能回復!(宮城県刈田郡)

産業現場では欠かせない塗装ブース。今回は、安定した排気と環境品質の確保のために「発生機循環ファン」のメンテナンスを実施しました。主に以下の3点の作業を行い、ブースの安定稼働と省エネ効果を高めるための処置を施しました。

循環ファン羽根車の剝離清掃で性能回復

塗装ブース内の循環ファンは、塗料ミストや揮発成分が長期間にわたり堆積することで、羽根車(インペラ)に塗膜や汚れが固着し、風量や静圧の低下を引き起こします。今回は、羽根車を取り外して高圧洗浄および手作業による剥離清掃を実施しました。これにより、回転バランスが回復し、振動の軽減と風量の回復が確認されました。清掃前後での電流値の変化からも、明確な負荷低減が確認でき、省エネ効果も期待されます。

シャフト・プーリー交換で駆動系をリフレッシュ

長期間使用されたシャフトおよびプーリーは、摩耗や偏摩耗が進行し、異音や回転ムラの原因となります。今回の作業では、循環ファンの駆動シャフトとファン側プーリーを新品に交換。特にプーリーに関しては、摩耗によるVベルトのスリップも確認されていたため、交換により駆動効率が大幅に改善しました。交換後は振動や異音も解消し、スムーズな駆動が復活。今後の長期安定稼働に大きく寄与する内容となりました。

モータ架台の補強で安全性・耐久性向上

循環ファンモータの架台部において、設置から年数が経過していたこともあり、わずかな歪みやたわみが確認されていました。そこで今回は、モータ架台に補教材を取付け、構造的な補強を実施。これにより、モータの振動伝達が抑制され、シャフトやベアリングへの負荷も軽減されます。特に大型ブースでは、モータ架台の剛性が運転安定性に直結するため、予防保全の観点からも有効な措置となりました。

担当者所感:原点回帰の重要性

塗装ブース設備は日常の生産活動において、意識されにくいながらも、確実に生産品質に影響する設備の一つです。今回のような循環ファンのメンテナンスは、ついつい後回しになりがちですが、放置すれば省エネ性能や製品品質、安全性にも影響を及ぼします。基本に立ち返り、「回るものは止めて見る」というメンテナンスの原点を改めて感じた作業でした。設備の健康診断として、今後も定期的な点検・整備の重要性を伝えていきたいと感じました。

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