【マレーシア工場での施工事例】塗装設備の分解・組立工事

塗装設備の排気ファンは、工場の生産品質と安全性を左右する重要な機器です。
今回は、マレーシアの工場で実施した塗装ブース排気ファンの分解・組立工事について詳しくご紹介します。
高所作業を伴う分解工事や塗装機器の組立、電気配線工事など、専門技術を要する作業のポイントを解説します。

メンテナンスの概要:塗装設備の分解・組立工事

今回のメンテナンスでは、塗装ブースの排気ファンを含む塗装設備の分解・組立工事を実施しました。

高所作業を含むため、安全対策を徹底しながら進める必要がありました。

工事内容の概要

  • 工事期間:試運転を含めた11日間
  • 作業人員:9名
  • 実施作業
    • 白電工熱(株)製の塗装設備組立
    • 旭サナック(株)製の自動塗装機器の組立
    • クリーンルームや部材移動通路の養生
    • 設備破損部分の板金修繕
    • 塗装剥がれ部分のスプレー補修
    • HOYA(株)製ハンガーの取り付け
    • 二次側電気配線工事
    • 試運転・調整

排気ファンは塗装ブースの効率的な換気と作業環境の維持に不可欠なため、分解清掃と部品交換を含めたメンテナンスを実施しました。

排気ファンメンテナンスの重要性

塗装ブースの排気ファンは、溶剤や塗料ミストの排出を担うため、定期的なメンテナンスが不可欠です。

ファンに付着した塗料や粉塵が蓄積すると、以下のような問題が発生します。

  • 排気能力の低下:ファンの羽根やダクト内に塗料が付着すると、通気抵抗が増加し排気効率が悪化します。
  • 塗装品質の低下:塗料ミストの滞留により、仕上がりにムラや異物混入が発生しやすくなります。
  • 安全リスクの増加:可燃性の塗料ミストが堆積すると、火災や爆発のリスクが高まります。
  • 機器の寿命短縮:負荷が増加し、モーターやベアリングが早期に劣化する可能性があります。

今回の工事では、ファンの分解洗浄を行い、摩耗した部品の交換も実施しました。

高所作業を伴う施工のポイント

排気ファンの多くは高所に設置されており、安全対策を万全にする必要があります。今回の工事では以下の点に注意して作業を行いました。

  • 足場の設置と安全帯の着用:作業員が安定して作業できるよう、適切な足場を設置し、安全帯を着用して作業しました。
  • 強風時の作業制限:マレーシアの気候を考慮し、強風時や悪天候時の作業は避けました。
  • 重量物の搬出・搬入計画:ファンやダクトの重量が大きいため、クレーンを使用し、安全な方法で取り扱いました。
  • 高温多湿環境への対応:現場の温度・湿度管理を行い、作業員の体調管理にも留意しました。

高所作業は特にリスクが高いため、事前準備と安全管理が成功の鍵となります。

試運転と最終調整

メンテナンス作業完了後、試運転を行い排気性能の確認を実施しました。特に以下の点をチェックしました。

  • 排気風量の測定:既定の風量が確保されているかを測定器で確認。
  • 異音や振動の有無:ファンの回転時に異常音や振動がないか確認。
  • ダクト内の気流確認:煙試験などを行い、ダクト内の空気の流れをチェック。
  • 電流値の測定:モーターの負荷が適正範囲内に収まっているか確認。

最終調整を終え、工場の生産ラインを通常運転に戻しました。排気ファンの効率が改善され、作業環境の向上が確認されました。

担当者所感

今回のメンテナンスでは、塗装設備の耐久性向上と安全性の確保を目指し、慎重に作業を進めました。
排気ファンのメンテナンスは、工場の生産品質を維持する上で極めて重要な業務です。
特に高所作業を伴う施工では、事前のリスクアセスメントと安全管理が不可欠でした。

また、マレーシアの高温多湿な環境では、設備の劣化が早まる可能性があるため、今後も定期的なメンテナンスの実施を推奨します。
今後のメンテナンス計画に活かすべく、今回の作業結果をしっかりと記録し、改善点を分析していきます。

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