乾燥炉の温度上昇に時間がかかる
お客様より、山形熱風乾燥炉の温度の上りに時間がかかるとの相談を頂き、現状確認及び関連設備の点検を実施いたしました。
乾燥炉本体外観・内観のヤニ汚れの点検
外部のへこみは、中にある断熱材へ影響を及ぼし熱が外へ逃げやすくなり、効率が悪くなるなどの弊害が起こる可能性が高まります。幸いこの凹みは内部へ大きな影響は与えていなかったため、大事には至りませんでした。
乾燥炉内部は壁面やコンベアレールにヤニが付着しており、清掃が必要な状況でした。コンベアレールに付着したヤニは、ヤニダレを起こし製品不良に直結するトラブルの元となりますので注意が必要です。




乾燥炉排気ファンモーターの振動
排気ファンモーターに異常な振動が見られました。この振動はモーターの寿命を縮め、故障の原因となる可能性があります。振動の原因として考えられるのは、ファンへのヤニやほこりの堆積、モーターベアリングの劣化による不均一な負荷がかかっていることです。
モーターの振動を減少させるためには、定期的な排気ファンの清掃及びバランス調整が必要です。早急に対策を講じることで、運転コストの増加を防ぐことができます。


汚れによる排気ファンの固着
排気ファンの羽根車が汚れにより固着しており、取り外しが困難な状態でした。これにより、排気効率が低下し、熱風乾燥の性能が著しく損なわれています。
ファンの羽根車に付着した汚れは、焼付塗装の工程中に発生した塗料の蒸気やホコリが主な原因です。定期的な清掃と、汚れが付着しにくい素材やコーティングの採用が望まれます。


ヤニの激しいダクト内部
ダクト内部には大量のヤニが付着しており、空気の流れを妨げています。ヤニの付着は乾燥工程中に発生する有機物の燃焼生成物が原因です。
ダクトの定期的な清掃を怠ると、ヤニが蓄積し、火災のリスクが高まるため注意が必要です。適切なメンテナンススケジュールを組み、ダクト内のヤニを除去またはダクト交換を実施することで、安全性と効率を向上させることができます。


担当者所感
今回の点検を通じて、⼭形焼付熱⾵乾燥炉のメンテナンスの重要性を再認識しました。特に本体の凹みや排気ファンの汚れなど、修復不可能な問題もありましたが、定期的な点検とメンテナンスを怠らないことが、設備の長寿命化と安全運転に直結することを痛感しました。今後も継続的にメンテナンスを行い、問題の早期発見と対策を徹底していきます。
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