ベアリングが焼き付く前に!スラット炉ファン軸受けの予防交換(栃木県栃木市)

スラット式乾燥炉における循環ファンの重要性

塗装ブースにおいて、スラット式乾燥炉は製品の塗膜を安定的に乾燥させるために不可欠な設備です。その中心的役割を担うのが循環ファンです。

乾燥炉内部の温度を均一に保ち、熱効率を最大化するためには、ファンの安定稼働が欠かせません。特に、羽根車の回転を支える軸受けは、摩耗や潤滑不良による故障リスクが高いため、定期的なメンテナンスが求められます。今回の作業は、異音発生と振動の兆候から軸受けの損傷が疑われ、早期に交換対応を実施しました。

軸受け交換の作業工程とポイント

作業はまず、安全確認を徹底した上で循環ファン周辺の分解から始まりました。羽根車を取り外し、既存の損傷した軸受けを確認。熱膨張により偏摩耗が進行していたことが分かりました。新たに取り付ける軸受けは、耐熱性・耐摩耗性に優れた高品質ベアリングを選定し、軸との勘合精度を確保するためにシャフトとハウジングのクリアランス調整も入念に行いました。

また、取り付け後は回転バランスと振動測定を実施し、基準内であることを確認。潤滑には高温環境に適したグリースを用いました。これにより、今後数年間の安定稼働が期待できます。

定期点検と予防保全の重要性

今回の軸受け不良は、日常点検での異音検知から発覚したものであり、重大な故障に至る前に対応できた好例です。塗装ブースや乾燥炉のような高温・高稼働の環境では、軸受けの潤滑状態や温度変化を定期的に監視することが重要です。

センサ類によるモニタリングの導入や、定期診断による振動解析を行えば、軸受けの寿命予測も可能になります。ライン停止を未然に防ぐためにも、予防保全の観点から保守体制を見直すことをお勧めします。

担当者所感

今回の作業では、事前の不具合予兆の発見からスムーズな対応につなげることができ、改めて「現場の感覚」と「技術的な整備力」の両立が重要だと実感しました。近年では、設備管理のデジタル化が進みつつありますが、軸受けのような部品は“音・振動・熱”といったアナログな兆候も非常に大きな判断材料になります。

現場の声を吸い上げながら、設備寿命を延ばす最善策を現場とともに構築していくことが、真の保全品質だと感じています。

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