塗装ブースの排気ファンは、塗装作業の品質維持と作業環境の安全確保に不可欠な設備です。今回は、異常調査および点検作業を実施しましたので、その詳細をご紹介します。
フィルターブース異常調査と点検作業の概要
排気ファンの異常は、塗装ミストや粉塵の蓄積によるフィルター詰まりが原因となることが多いため、まずフィルターブースの異常調査を実施しました。
フィルターの目詰まりは、吸排気効率の低下だけでなく、作業環境の悪化や設備の故障につながる可能性があるため、慎重に点検を行いました。
点検の結果、一部のフィルターが目詰まりを起こしており、排気効率の低下が確認されました。
このため、清掃および交換作業を実施し、ブース内の風量を適正な状態へ回復させました。
加えて、フィルターを長持ちさせるためのメンテナンス方法について、現場の作業員へ指導を行いました。
モーター試運転と異常調査
排気ファンの動作確認として、モーターの試運転を実施しました。回転数や振動、異音の有無をチェックし、正常な動作をしているか確認しました。
点検の結果、モーターの回転には問題はなかったものの、わずかな異音が発生していることが判明しました。
異音の原因を特定するため、駆動部のグリース不足や軸受けの摩耗状況を調査しました。
その結果、軸受けのグリースが劣化していたため、適切なグリースを補充。
これにより、異音は解消され、モーターの回転もスムーズになりました。
定期的なグリース補充の重要性を改めて認識する機会となりました。
排気ファンの開閉と内部点検
排気ファンの内部には、塗装ミストや粉塵が付着しやすく、蓄積すると風量低下やバランスの崩れを引き起こす原因となります。
今回のメンテナンスでは、ファンカバーを開放し、内部の汚れを確認しました。
内部を点検したところ、羽根部分に粉塵が多く付着しており、バランスがわずかに崩れている状態でした。
高圧エアと専用の洗浄剤を使用し、ファンブレードの清掃を実施。
清掃後はファンの動作がよりスムーズになり、振動の低減も確認されました。
異常点検作業と最終確認
ファンの清掃が完了した後、再度試運転を行い、異常の有無をチェックしました。
風量、振動、音の変化を細かく確認し、全体のバランスが正常に戻っていることを確認しました。
また、モーターや軸受け部分の温度測定を実施し、異常な発熱がないことも確認。
最終的に、塗装ブースの排気システムが正常に動作していることを確認し、メンテナンス作業を完了しました。
今回の点検で明らかになった課題をもとに、定期点検の重要性を再認識しました。
担当者所感
今回のメンテナンスでは、フィルターの目詰まりや軸受けのグリース不足といった問題が見つかりました。
大きなトラブルには至らなかったものの、これらの異常を放置すると、排気効率の低下やモーターの故障といった深刻な事態を招く可能性があります。
特に、塗装ブースは塗装ミストや粉塵が多く発生する環境のため、定期的な清掃と点検が不可欠です。
今後も、異常の早期発見と予防保全を徹底し、安定した設備稼働をサポートしていきます。
お問合せはこちら
塗装ブース、乾燥炉、コンベアなど、工業塗装設備に関するトラブルを解決します。異音や定期メンテナンスの実施など、少しでも気になる点がございましたら、まずは私たちにご連絡ください。
