【事例紹介】塗装ブース排気ダクトの異常原因を徹底調査(埼玉県八潮市)

排気ダクトの異常調査:効率低下の主因を特定

今回のメンテナンスでは、塗装ブースの排気効率が著しく低下しているとのご相談を受け、排気ダクトの異常調査を実施しました。ファンの吸引力が弱まっていたため、ダクト内部に目詰まりや構造上の問題があると仮定し、現場にて詳細な点検を実施。ダクト外観からは大きな異常は確認できなかったものの、内部調査を通じて塗料ミストや粉塵が固着している箇所を特定しました。目詰まりは換気効率を大きく損ない、ブース全体の品質に影響を及ぼすため、早期発見が重要です。

排気ダクト穴あけ加工:点検と清掃のためのアクセス改善

ダクト内部の目詰まり確認と今後の定期的な点検を容易にするために、新たに点検口を兼ねた穴あけ加工を実施しました。高所作業を含むこの工程では、安全面にも配慮しながら、最適な位置にメンテナンス用のアクセスホールを設けることで、今後の保守性を大きく向上させました。穴あけ後は防塵カバーとシール材を用いて密閉性を保持。これにより、点検・清掃作業の効率が格段に向上し、現場作業員からも高評価をいただきました。

ダクト内部目詰まり調査:見えないトラブルの可視化

点検口設置後、内視鏡カメラおよび手動ツールを用いて内部の詳細調査を行いました。結果、数カ所で塗料成分が凝固したような塊が確認され、それが長年の堆積によるものであることが判明。特に曲がり部や接続部での堆積が顕著で、空気流のボトルネックとなっていました。これらは排気能力の低下だけでなく、最悪の場合は発火リスクにも繋がるため、今回のような定期調査が極めて重要であることが再確認されました。

排気ダクトの雨仕舞加工:外部環境からの劣化防止

最後に、屋外に設置されたダクト部分に対して雨仕舞(あまじまい)加工を実施しました。これにより、雨水の侵入を防ぎ、内部の腐食や塗料の剥離を未然に防ぐことが可能となります。具体的には、ジョイント部の再シール、カバー板の設置、傾斜の最適化などを施し、排水性を確保。外装のメンテナンスも、排気性能や設備寿命を維持するために不可欠な工程です。見落とされがちですが、長期的な視点で見れば非常にコストパフォーマンスの高い対策です。

担当者所感:問題の「根」に踏み込むメンテナンスがカギ

今回のメンテナンスは、単なる清掃作業ではなく、「なぜ排気効率が落ちたのか」という根本原因に迫るプロセスでした。排気設備は目に見えづらく、後回しにされやすいですが、塗装品質・作業環境・安全性すべてに直結する重要設備です。見た目に異常がなくとも、定期的な内部点検と構造の見直しが不可欠であると、改めて実感しました。今後も、「見えないところこそ徹底的に」の視点を持って、最適なメンテナンス提案を行っていきます。

お問合せはこちら

塗装ブース、乾燥炉、コンベアなど、工業塗装設備に関するトラブルを解決します。異音や定期メンテナンスの実施など、少しでも気になる点がございましたら、まずは私たちにご連絡ください。

TOP