塗装ブースの排気ファンは、塗装作業の品質や作業環境の安全性を左右する重要な設備です。
今回、既存の3.7kWモーター2台を移設・取付し、Vベルトのテンション調整を含めたメンテナンスを実施しました。
モーター移設・取付作業の概要
今回の作業では、工場内の別の排気ファンに使用されていた3.7kWのモーターを取り外し、新たな位置に移設・取付を行いました。
モーターの移設において重要なのは、適切な位置決めと確実な固定です。
作業手順
- 既存モーターの取り外し
既存の排気ファンから慎重にモーターを取り外しました。モーターの取り外し時には、接続されている配線やプーリーに損傷がないかを確認しました。 - 移設と新規取付
移設先の排気ファンにモーターを設置。取付ボルトをしっかり固定し、回転軸とプーリーの芯出しを行いました。この作業は、回転バランスを最適化し、モーターやベルトの異常摩耗を防ぐために重要です。 - 電気配線のチェック
移設後、電源配線を確認し、接続ミスがないようにしました。電圧や絶縁抵抗の確認も併せて実施しました。




Vベルトのテンション調整と重要性
Vベルトの張力(テンション)は、排気ファンの安定動作に直結します。張りすぎるとベアリングに負荷がかかり、逆に緩すぎるとスリップが発生し、伝達効率が低下します。
調整手順
- 既存のVベルトを点検
摩耗やひび割れがないかをチェックし、異常がなければ再利用しました。 - 適切なテンション調整
メーカー推奨の張力範囲を確認し、ゲージを用いて適正なテンションに調整しました。手でベルトを押した際のたわみ具合も確認し、スリップしない範囲で張力を設定。 - 試運転と最終調整
モーターを起動し、異常振動や異音がないか確認しました。運転中にベルトが過度に振動していないかを見ながら、微調整を行いました。
試運転と異常点検の実施
取付・調整後の試運転は、設備の安全性と性能を確認する重要な工程です。今回の試運転では、以下の項目を重点的にチェックしました。
チェックポイント
- モーターの振動・異音の有無
→ モーター取付部の緩みがないか、異音が発生していないかを確認。 - Vベルトのスリップや摩耗状況
→ 運転中のベルト挙動を観察し、異常がないかチェック。 - 電流値の確認
→ モーターの電流値が正常範囲内かどうか測定。負荷の偏りがないことを確認。
試運転後、異常がないことを最終確認し、作業を完了しました。
担当者所感
今回の排気ファンメンテナンスは、既存モーターを再利用することでコストを抑えつつ、性能を維持することが目的でした。モーターの取付位置やVベルトの張力調整は、排気効率に影響を与えるため、慎重に作業を進めました。
特に、Vベルトのテンション調整が不十分だと、排気能力の低下やモーターの過負荷につながるため、調整作業は慎重に行いました。また、試運転時には電流値を測定し、適切な運転状態であることを確認できました。
排気ファンのメンテナンスは、塗装品質の安定化や作業環境の改善に直結します。今後も定期的な点検と適切なメンテナンスを実施し、最適な状態を維持していくことが重要です。
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