排気ファンに堆積する塗料とその対処|定期点検でわかったリスクと対策(東京都葛飾区)

塗装設備の定期点検を実施

今回の現場では、W3.2Mフィルターブース・外気取入型給気装置・間接熱風固定型乾燥炉を含む塗装設備の定期点検を実施しました。これらの設備は、自動車部品や金属製品の高品質な塗装を支える重要なラインであり、定期的なメンテナンスが不可欠です。ブース内の風量バランス、給気フィルターの状態、炉内温度の均一性を重点的にチェックしました。特に乾燥炉においては、熱交換器周辺の劣化が製品品質に影響を及ぼすため、熱源部やサーモスタットの動作確認を綿密に行いました。設備トラブルの予防と、省エネ運転のためにも、このような定期点検は極めて重要です。

ブース排気ファンの羽根車・ケーシング清掃

塗装ブースの排気ファンにおいて、羽根車およびケーシング内部の剥離清掃を実施しました。長期間使用されたファン内部には、塗料ミストや粉じんが蓄積し、気流抵抗やアンバランスによる振動の原因になります。今回は、溶剤を使用した湿式剥離清掃を採用し、堆積物をしっかり除去。ファンバランスの偏りも同時にチェックし、軸受け部への影響も確認しました。剥離後のケーシング内部は、本来の銀色の地肌が見える状態まで復元され、排気効率の回復が期待されます。これにより、作業環境の安定とフィルター寿命の延長に寄与します。

排気ファンの異常点検と試運転による調整

清掃後は、排気ファンの異常点検試運転による調整作業を実施しました。羽根車の取り付け状態や軸受部の温度、振動レベル、回転音の異常を確認しました。ファン駆動ベルトの張力、モーター電流値、ファン起動時の加速時間にも注視し、基準値と照合。調整ポイントとしては、羽根車の締結トルク、インレットダンパーの開度設定を行いました。最終的には、実際の塗装運転条件に近い負荷状態で試運転を行い、吸引力と風量が設計値に達しているかを確認。現場担当者様との立ち会いのもと、正常稼働を確認し、メンテナンス完了となりました。

担当者所感

今回のメンテナンスを通じて改めて感じたのは、「塗装設備は常に呼吸している」ということです。給気・排気のバランスがほんのわずかに狂うだけで、塗装不良や作業者の安全に直結します。特に排気ファンは、設備全体の“肺”のような存在であり、定期的に清掃と点検を行うことで、作業環境の健全性を維持することが可能になります。現場担当者様からも「風量が明らかに改善した」とのお声をいただき、プロとして非常にやりがいを感じる現場でした。今後もこうしたメンテナンスを通じて、お客様の生産効率と安全性に貢献してまいります。

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