水洗塗装ブースのパネル腐食による水漏れ工事・埼玉県

ターボ水洗ブース側面パネル両面交換工事(SUS製)を実施

水洗塗装ブースの側面パネルの両面が腐食により水漏れが発ししておりました。SUS(ステンレス)製のパネルを加工し、交換取り付け工事を実施しました。

ブースの中を開けてみると、アングルもかなり腐食していたためアングルの交換により、梁を補強することでブース自体の強度を確保しました。

作業前全体写真
パネル取り外し後

塗装ブースパネルの腐食による考えられるトラブル

塗装ブース横のパネルが腐食し、水漏れが発生した場合、いくつかのトラブルが考えられます。以下に主なものを挙げます。

1、塗装品質の低下

  • 水漏れが塗装ブース内に侵入すると、湿気が増加し、塗装面に水滴がつく可能性があります。これにより、塗装面に不均一な仕上がりや塗膜の剥離が発生することがあります。

2、設備の腐食進行

    • パネルの腐食が進行することで、ブース全体の構造的な安定性が低下する可能性があります。また、他の金属部分も腐食が進行し、倒壊の危険性が高まります。修理だけでは対応できずに塗装ブース全体の入れ替え(新設工事)が必要になる場合があります。

    3、電気系統のトラブル

    • 水漏れが電気系統に影響を与えると、短絡や漏電が発生する可能性があります。これにより、機械が停止したり、火災のリスクが高まることがあります。

    4、作業環境の悪化

    • 水漏れにより作業環境が湿っぽくなることで、作業員の快適さが損なわれるだけでなく、長期間にわたると健康リスクが高まることも考えられます。

    5、追加コストの発生

    • 水漏れによる影響を受けた箇所の修理だけでなく、腐食の進行により他の部分も補修や交換が必要となるため、予期しない追加コストが発生する可能性があります。

    6、生産停止のリスク

    • 水漏れが深刻な場合、生産ライン全体を停止して修理が必要となることがあります。これにより、納期の遅延や生産計画の変更が必要となり、顧客への影響も懸念されます。

    パネル・アングルの取付穴加工

    塗装ブースのパネル交換作業の第一段階として、パネル・アングルの取付穴加工を行いました。腐食により劣化したパネルを新しいもの(ステンレス製)に交換するため、既存のフレームに合わせた正確な取付穴が必要でした。

    この工程では、精密な寸法測定と穴開けが求められます。取付穴の位置がずれると、後の工程に支障をきたす可能性があるため、慎重に作業を進めました。

    十分な計測とマーキングを行い、専門工具を使用して精密に穴を開けることで、後の作業がスムーズに進む基盤を整えました。

    ブース内の塗料の堆積と錆の状態
    パネル取り付け位置の確認

    SUSステンレス製ブースパネル交換取付工事の実施

    取付穴加工後、新しいパネルの交換作業に移りました。古いパネルを慎重に取り外し、新しいパネルを所定の位置に取り付けました。

    この段階では、パネルの密閉性が重要です。隙間があると外部からの湿気や塵が侵入し、塗装品質に悪影響を与える可能性があるため、しっかりとした固定と密閉処理を行いました。

    また、パネルの水平・垂直を確認しながら慎重に取り付け、最終的に正確にフィットするよう調整しました。

    ブース横アングル取り付け作業
    ブース横アングル取り付け後

    水膜板両側面の腐食部分に補強材の取付作業

    新しいパネルの取り付け後、水膜板の両側面にある腐食部分に補強材を取り付けました。水膜板は塗装ブース内の湿度管理に重要な役割を果たすため、腐食部分の処理は不可欠です。

    腐食部分を除去した後、耐久性の高い補強材を用いて強化しました。

    この補強材により、将来的な腐食を防ぎ、長期間の安定使用が可能になります。補強材の取付は正確に行い、必要に応じて追加の防錆処理も施しました。

    ブース横パネル取り外し作業
    ブース横パネル取り外し後

    水膜板のリベット止め作業

    補強材の取付後、水膜板のリベット止め作業を行いました。リベットは耐久性が高く、しっかりとした固定に効果的です。水膜板がブース内で適切に機能するには、確実な固定が必要です。

    マーキングした位置にリベットを均等に打ち込み、全体が均一に固定されるよう注意を払いました。これにより、水膜板が長期にわたり安定して機能することが期待できます。

    ブース横パネル固定作業
    ブース横パネル固定後(ボルト止め、シリコン補修)

    試運転立会い調整

    すべての作業完了後、試運転を行い調整作業を実施しました。パネルの交換や補強材の取付が正しく行われたかを確認するため、ブース全体の運転を開始し、正常稼働をチェックしました。

    特に水漏れの再発がないか、塗装ブース内の環境が適切に維持されているかを確認しました。また、運転中の異音や異常な振動もチェックし、必要に応じて微調整を行いました。

    最終的に、すべての機能が正常であることを確認して試運転を終了し、ブースが再び安全かつ効率的に稼働できる状態となりました。

    パネル取り付け後
    パネル取り付け後全体写真

    担当者所感

    腐食は目に見えない場所で徐々に進行し、気づいた時には重大な損傷を引き起こすことがあります。放置すると設備の耐久性が低下し、最悪の場合、重大な事故につながる可能性もあります。

    水漏れなどの問題は、塗装品質の低下や作業環境の悪化を引き起こし、製品不良や生産遅延、作業員の健康リスク、さらには企業の信用や経済的損失にもつながりかねません。

    そのため、予防と早期発見が極めて重要です。定期的な点検やメンテナンス、適切な防錆処理や材料選定により、大規模な修理を未然に防ぐことができます。設備の長寿命化と安全な作業環境の維持を目指して継続的な改善を進めていくことが重要だと感じています。

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    塗装ブース、乾燥炉、コンベアなど、工業塗装設備に関するトラブルを解決します。異音や定期メンテナンスの実施など、少しでも気になる点がございましたら、まずは私たちにご連絡ください。

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