排気ファンモータ交換の背景と重要性
塗装ブースにおける排気ファンは、塗料ミストや揮発性有機化合物(VOC)を確実に排出し、作業環境を清浄に保つ重要な役割を担っています。今回は、排気能力の低下および異音の発生が見られたため、排気ファンモータ(3.7kW)の交換作業を実施しました。モータの老朽化や内部ベアリングの劣化が主な要因と判断され、安全・安定稼働のために早期交換を行いました。定期的なメンテナンスと更新により、設備の寿命を延ばし、作業者の安全と生産効率を確保することができます。
既存設備を活かした効率的な交換作業
今回の交換作業では、既存のプーリーとVベルトを再利用しつつ、新たに3.7kWの排気ファンモータを1台取り付けました。機械設備の構造を事前に精査したうえで、必要最低限のパーツ交換に留めることで、コスト削減と作業効率の両立を図りました。
また、Vベルトのテンション調整も慎重に実施。適正なテンションが保たれていない場合、振動や騒音、モータへの負荷増加などの不具合が起こる可能性があるため、トルクレンチを用いた精密な調整を行いました。工程全体を半日で完了し、ダウンタイムを最小限に抑えることができました。




試運転調整と異常点検による安心の品質保証
モータ交換後は、必ず試運転および異常点検を実施します。今回は運転中の振動、異音、モータ温度上昇の有無、吸排気のバランス、電流値などを詳細にチェックしました。その結果、すべての項目で正常範囲内であることが確認され、安定稼働を確認できました。
試運転中にはお客様にも立ち会っていただき、Vベルトの動作状況やファンの起動・停止の応答性なども確認。今後の点検サイクルの見直しや予知保全のアドバイスも提供しました。これにより、設備全体の信頼性と稼働率向上に繋がります。


担当者所感
今回のモータ交換工事では、現場の段取りと部品調達のタイミングがうまく噛み合い、スムーズな作業が実現できました。既存の部品を活かすという制約の中でも、確実な作業を遂行できたのは、日頃からの設備把握と現場力の賜物です。
塗装ブースのように24時間稼働が求められる設備では、突発停止は大きな損失となるため、計画的なメンテナンスの重要性を改めて感じました。今後も予防保全を意識し、最小限のコストで最大の効果を出せるメンテナンスを提供していきたいと思います。
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塗装ブース定期点検で設備の長寿命化を実現(茨城県行方市)
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