固定炉オーバーホール・バーナ点検をセットで対応(栃木県宇都宮市)

固定炉オーバーホールの重要性と実施内容

塗装ブースにおける固定炉は、安定した加熱・乾燥工程を担う重要な設備です。今回はオーバーホールを実施し、炉内の性能維持とトラブル未然防止を目的としました。主な作業内容は以下の通りです。

  • 固定炉内の全面清掃
  • 燃焼室の分解洗浄
  • 循環ファン・排気ファンの清掃
  • 構成部品の異常点検

特に循環ファンや排気ファンは、塗装時に発生する塵埃が蓄積しやすく、これが加熱効率や安全性に直接影響します。今回の清掃で、多くの堆積物を除去し、風量・排気能力の回復を確認できました。これにより、設備の省エネルギー化にも寄与しています。

バーナ点検および異常調査の実際

バーナ設備については、「設定温度に達する前に失火する」という症状の調査依頼がありました。しかし、点検中にはその現象は再現されませんでした。主な点検内容は以下の通りです。

  • バーナ分解清掃
  • 点火装置および電極のチェック
  • 配線や安全装置の動作確認
  • ガス供給ラインの漏れ検査

バーナ内部には、経年劣化によるススの付着や、部品の疲労が見られました。失火現象の再現はなかったものの、老朽化は明らかであり、将来的な故障リスクを踏まえ、計画的な部品交換またはバーナ本体の更新を強く推奨いたします。

今後の対策と計画保全のすすめ

今回の点検では、大きな異常や緊急対応を要するトラブルは見られませんでしたが、経年使用に伴う設備の性能劣化は避けられません。とくに以下の点に注意が必要です。

  • 排気ファンや循環ファンの軸受け部の摩耗
  • バーナー部の点火装置や電磁弁の劣化
  • ダクト内の塗料粉塵堆積による火災リスク

これらのリスクを最小限に抑えるためには、年1回以上の定期点検と消耗部品の予防交換が効果的です。突発的な設備停止による生産ロスを回避するためにも、事前のメンテナンス計画は経営的にも非常に有効です。

担当者所感:小さな異変が大きなトラブルにつながる前に

今回の点検では、異常現象の再現がなかったとはいえ、劣化兆候の早期発見が大きな収穫でした。日々の運用では気付きにくい微細な汚れや摩耗が、燃焼効率の低下や不完全燃焼を引き起こすリスクがあります。

塗装ブースのように高温・高負荷の環境下で稼働する設備は、見た目以上にダメージが蓄積されやすく、予防的なメンテナンスが非常に重要です。今後も現場での経験を活かし、設備稼働率の最大化と安全性確保に貢献してまいります。

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