産業用設備において、固定型乾燥炉は安定した熱処理工程に欠かせない存在です。しかし、長期使用により内部にススや異物が堆積し、燃焼効率の低下や温度ムラ、最悪の場合は火災のリスクにもつながります。
今回は定期メンテナンスの一環として、固定炉本体および燃焼室、循環ファンに至るまで徹底した分解・剝離清掃と部品交換作業を行いました。定期的なオーバーホールにより、安全性の確保と設備寿命の延長、エネルギー効率の向上が実現できます。今回の作業内容を詳しくご紹介いたします。
蓄積汚れの徹底除去で熱効率を回復
固定型乾燥炉内部は高温環境下での使用により、ススや樹脂、微細な異物が付着・堆積しやすくなります。これを放置すると燃焼効率の低下や炉内温度分布の不均一化を招き、製品品質に大きな影響を及ぼします。
今回、炉内パネルやダクト、内部付属部品を分解し、一つひとつ手作業で剝離清掃を実施しました。


燃焼効率と安全性を高める内部清掃
燃焼室は高温ガスが直接流れる部分のため、汚れや付着物によるトラブルが最も発生しやすい箇所です。
今回は燃焼バーナーを取り外し、燃焼室内部を目視確認したうえで分解清掃を行いました。バーナー取り付け面や火炎ガイド付近は特にカーボンやスラッジが厚く堆積しており、これを丁寧に除去。さらに耐熱部品のひび割れや変形も同時に点検し、異常がないことを確認しました。
燃焼室の清掃は炉の燃焼効率を回復させるだけでなく、安全運転の基本であることを再認識しました。


気密性維持と安全稼働のための耐熱布交換
固定炉扉に取り付けられている耐熱布は、高温下でも密閉性を保つ重要な部材です。しかし、繰り返しの加熱冷却サイクルで硬化やひび割れが発生し、気密性能が低下します。
今回は扉を取り外し、古くなった耐熱布をすべて剥がしたうえで新品に交換・取り付けを行いました。取り付け時はわずかなズレが漏れや断熱不良に直結するため、均一に圧着し固定。
最終的には試運転で温度ムラや漏れの有無をチェックし、完璧な状態に仕上げました。


固定炉扉パッキン交換と循環ファン整備
固定炉扉のパッキンは気密性維持に重要な部品です。今回は劣化したパッキンを取り外し、新品に交換。取り付け後は漏れがないか確認し、確実な密閉性を確保しました。
循環ファンは分解清掃後、高温用グリスを補充し、回転バランスを調整。振動や異音もなく、安定した送風を回復できました。両作業により、安全性と性能が大幅に向上しました。


担当者所感
今回の固定型乾燥炉オーバーホール作業を通じて、改めて定期的なメンテナンスの重要性を痛感しました。
炉内の汚れや部品の劣化は目視では確認しづらく、分解して初めて分かる問題が多いことを再認識。特に燃焼室と循環ファンの汚れは予想以上で、適切なタイミングでの実施が設備保全につながることを実感しました。
今後も安全・高効率な運転を継続するため、引き続き計画的なメンテナンスの提案を行ってまいります。
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