外観点検:ホコリ堆積は無視できない潜在リスク
今回の点検で、固定型乾燥炉の外観にホコリの堆積が確認されました。外板や内板、床板に破損は見られなかったものの、ホコリは表面だけでなく機器内部に侵入する恐れがあります。特に排気ファンやモーター周辺にホコリが溜まると、冷却効率の低下やモーター焼損を招くリスクもあります。見た目以上に性能と安全性に直結する問題であり、定期的な清掃とメンテナンスが必須です。
扉丁番の破損:開閉機能の不良が引き起こす事故リスク
扉の開閉機構に使用されている丁番が破損しており、扉の開け閉めに支障が出ていました。この状態での運用は非常に危険で、突然扉が開閉できなくなる、あるいは完全に外れるリスクがあります。特に加熱運転中に扉が外れると、熱風の漏洩やオペレーターの火傷といった事故に繋がる可能性も否定できません。早急な部品交換を強く推奨いたします。


耐熱布の破れ:密閉性低下と熱効率の悪化
扉部のパッキン材である耐熱布に破れが見つかりました。これは炉内の密閉性に直接影響し、温度制御の不安定化や熱ロス、さらには燃焼効率の低下を引き起こす原因になります。また、隙間から高温の空気が漏れることで、周囲環境の温度上昇や作業者へのリスクも増大します。このような劣化は経年劣化によるものが多いため、使用年数と状態に応じた定期交換が求められます。


担当者所感
一見すると問題のない外観でも、実際にはホコリの堆積や扉まわりの劣化といったリスクが潜んでいます。特に丁番の破損や耐熱布の破れは、日々の業務の中では見過ごされがちですが、安全性と生産性の両面で無視できない問題です。今回の点検では重大な故障には至っていませんでしたが、このまま放置すれば予期せぬ停止や火災事故にもつながる可能性があります。現場では「壊れる前に替える」という予防保全の視点が重要です。
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