排気ダクト・排気ファンの異常調査から着手
今回、ある製造現場にて「塗装ブースの排気性能が低下している」とのご相談を受け、排気ダクトおよび排気ファンの異常調査を実施しました。調査では、まず排気ダクトに穴あけ加工を行い、内部の状態を目視で確認。内部には長年にわたり蓄積された塗料や粉塵が堆積しており、気流を著しく妨げている状態でした。
また、排気ファンから排気口までの距離が比較的長く、その分だけダクト内部に塗料が付着しやすくなっている構造であることも判明。排気効率低下の一因となっていました。さらに、排気ファンのフラップ機構の開閉確認も行い、正常に動作するかどうかも点検しました。




ダクト内部の目詰まりと腐食損傷の実態
今回の調査で最も深刻だったのは、ダクト内部の塗料堆積による「目詰まり」と「腐食によるダクト損傷」でした。特に長期間清掃が行われていなかった区間では、塗料の固着が顕著で、送風の妨げとなっていました。高圧洗浄や薬剤洗浄による対応が必要なレベルです。
さらに、堆積物が湿気を含むことで内部の錆を誘発し、ダクト外壁に腐食による穴が開いている可能性も確認されました。これにより、排気の漏れや屋内への逆流といったリスクが発生している恐れがあり、安全性の観点からも早急な対策が求められる状況でした。特に冬場や梅雨時は、湿気の影響で腐食が加速するため、定期的な点検が重要です。


担当者所感
今回の作業を通じて、定期的な点検と清掃の重要性を改めて痛感しました。塗装ブースの排気系統は、日々の運用では見えにくい部分ですが、放置すると安全性や作業環境、製品品質にも大きく影響します。
また、ダクトやファンの性能を最大限に活かすには、内部の清掃と腐食対策の両立が欠かせません。今後は、半年〜1年に一度の定期メンテナンスをご提案し、故障やトラブルの未然防止につなげたいと考えています。
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異音の原因はVベルト劣化!排気ファンの定期点検(栃木県栃木市)
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