乾式塗装ブースから異音発生
今回は、排気量700㎥(350㎥×2台)の乾式塗装ブースから「激しい異音がする」とのご相談をいただきました。異音の発生源は排気ファン周辺に限定されており、作業環境にも支障をきたす可能性が高いと判断し、緊急点検対応を実施しました。稼働中の設備トラブルは、生産ラインに直結するため、早期対応が求められます。
現場では、安全確認を徹底しつつ、ファンユニットの分解点検、各部の摩耗・緩み・異物混入など、異常要因の徹底洗い出しを行いました。早期発見と対応が、設備寿命の延伸とコスト削減に直結する好例です。
排気ファン異常の原因と対策内容
点検の結果、2台の排気ファンのうち1台において、軸受部(ベアリング)の摩耗とファンブレードのアンバランスが主な異音の原因であることが判明しました。もう1台も軽微ながら軸ずれが見られたため、同時に調整と給油を実施しました。
軸受の摩耗は、長期運転による振動蓄積や潤滑不良が主な原因です。今回は部品交換を要さず、軸受部の調整・給油・バランス取り調整で対応できたため、迅速な復旧が可能でした。定期点検により、こうした異音トラブルを未然に防ぐことができるため、月次点検のご提案も併せて行いました。




試運転・調整・お客様立会いで最終確認
点検・調整作業完了後には、試運転を実施し、現場担当者様に立ち会っていただいたうえで動作確認を行いました。異音の消失、振動値の安定、排気風量の正常性など、あらゆる観点から再確認を行い、作業完了としました。
作業後には、今後のトラブル予防のための簡易チェックシートを現場にお渡しし、運転中に確認すべきポイントをご説明しました。こうしたプロセスが、現場の「設備に対する安心感」と「稼働安定性の向上」につながります。


担当者所感
異音は単なる“音”の異常ではなく、設備が発している「異常のサイン」です。今回も、初期の段階でご相談いただいたことにより、大きな故障や生産停止には至らず、比較的軽微なメンテナンスで復旧することができました。
塗装ブースのように連続稼働が求められる設備は、少しの異常にも敏感に対応することが重要です。今後も、お客様の現場での「気づき」に寄り添い、迅速かつ的確な対応を徹底してまいります。
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