羽根車の剥離清掃|性能回復に直結するクリティカルポイント
塗装ブースの排気ファンにおける羽根車は、塗料ミストや粉塵の影響を最も受けやすいパーツのひとつです。今回のメンテナンスでは、羽根車にこびりついた塗料の堆積物を丁寧に剥離・除去しました。
これにより、ファンの風量・風圧が本来の性能に近づき、排気効率が著しく改善しました。特に塗料の堆積が重なることでファンバランスが崩れ、振動や異音の原因となるケースも多く、今回の清掃によってそのリスクも軽減されました。羽根車の定期清掃は、省エネ効果や作業環境の安定にもつながるため、年1回以上の実施をおすすめします。




ケーシング内部の剥離清掃|見落とされがちな粉塵の蓄積エリア
ケーシング内部はファン回転による負圧の影響で塗料ミストが吸着しやすく、堆積物が長年蓄積することで、流路の閉塞や腐食リスクが発生します。今回の作業では、ケーシングの各部を分解し、内壁に付着した堆積塗料を手作業で剥離清掃。
特に排気ダクトと接続されるフランジ部には、湿気を帯びた堆積物が多く、腐食の初期兆候も確認されました。こうした清掃は見た目以上に作業時間を要しますが、流体のスムーズな流れと腐食抑制の観点から非常に重要です。排気効率の改善だけでなく、設備寿命の延長にも寄与するため、定期的な対応が求められます。


異常点検作業|初期異常の早期発見でコスト削減に貢献
清掃後、羽根車およびモーターの回転状態、軸受部の温度変化、振動レベルを測定し、異常兆候の有無を点検しました。今回の点検では、モーター軸受からわずかに異音が出ている兆候が確認され、グリス補充および温度監視の強化を提案しました。
また、ファンの回転バランスは問題なく、ベルトの張力も基準内でした。こうした定期点検を通じて、小さな異常を早期に発見することが可能となり、突発的な設備停止や高額な修理費を未然に防ぐことができます。異常点検は「予防保全」の要として、今後ますます重要になる分野です。
試運転立ち合いとファン調整|性能確認と現場対応の最終チェック
すべての清掃および点検作業が完了した後、試運転を実施しました。ファンの回転数、排気風量、振動値を再確認し、正常範囲内であることを立ち会い確認しました。また、現場担当者からの「排気量が上がった」とのフィードバックも得られ、清掃効果が数字と感覚の両面で実感される結果となりました。
最後にベルトテンションやボルトの締結確認を行い、全工程を完了。試運転立ち合いは、現場ニーズと整合性を取るためにも欠かせない工程であり、調整力とコミュニケーション力が求められる場面です。
担当者所感
今回の塗装ブース排気ファンメンテナンスでは、長年蓄積された塗料堆積物の除去を通じて、排気性能の回復と設備の安定稼働が実現できました。現場環境を快適に保つだけでなく、製品品質にも直結する排気ファンの性能は、メンテナンスの質に大きく左右されます。
トラブルが起きてから対応するのではなく、トラブルを未然に防ぐ「予防保全」の考え方を多くの現場で根付かせていきたいと、改めて感じました。
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