塗装ブースの排気ファンは、塗装作業の品質維持と作業環境の安全確保に不可欠な設備です。
今回、6台の排気ファンについて定期メンテナンスを実施しました。
排気ファンのメンテナンスが必要な理由
塗装ブースの排気ファンは、長期間使用すると塗料ミストやホコリの付着により性能が低下します。
ファンの回転バランスが崩れると、異音や振動が発生し、最悪の場合、モーターの焼損やファンの破損につながります。
さらに、排気性能が低下すると塗装ブース内の空気循環が悪化し、塗装品質の低下や作業環境の悪化を招きます。
定期的な点検を行うことで、これらの問題を未然に防ぎ、設備の長寿命化を図ることが可能です。
今回は6台の排気ファンに対し、モーターの試運転・異常調査、ファンの開閉作業、異常点検を実施しました。
モーター試運転と異常調査|回転音と振動に注目
最初に、各排気ファンのモーターを試運転し、回転状態を確認しました。
モーターの異常は、通常「音」と「振動」に現れます。具体的には以下の点をチェックしました。
- 異常な振動がないか(回転軸のブレやベアリングの摩耗が原因の場合あり)
- 通常と異なる異音がないか(ゴロゴロ音や異常なモーター音は要注意)
- 電流値の異常(通常より高い場合は負荷過多の可能性)
今回の点検では、軽微なベアリング摩耗が見られたものの、すぐに交換が必要な状態ではなく、定期点検で様子を見ることになりました。
ただし、摩耗が進行するとファンが正常に回転しなくなるため、今後の点検時にはより詳しい検査が必要です。


排気ファンの開閉作業|蓄積した汚れの除去
ファン内部には塗料ミストや粉塵が蓄積し、長期間放置すると排気効率が低下します。
そこで、各ファンを開閉し、内部の状態を確認しました。主に以下の作業を実施しました。
- ファンブレードの汚れ確認・清掃(塗料ミストや粉塵の蓄積)
- 軸受部のグリスアップ(潤滑不足による摩耗防止)
- ダンパー部の動作確認(閉塞や固着がないかチェック)
今回の点検では、特にファンブレードに塗料ミストが厚く付着しており、エアブローおよび専用洗浄剤を使用して除去しました。
蓄積した汚れは、排気性能の低下だけでなく、ファンのアンバランスを引き起こし、振動や異音の原因にもなるため、定期的な清掃が不可欠です。




異常点検作業|ファン本体と固定部のチェック
最後に、排気ファン本体および取り付け部の異常点検を行いました。主なチェックポイントは以下の通りです。
- ファン本体の亀裂や損傷の有無(劣化による破損リスク)
- ボルト・ナットの緩み(振動による固定部の緩みは事故につながる)
- ダクト接続部の状態(排気漏れがないか確認)
今回の点検では、大きな損傷や異常は見られませんでしたが、一部の固定ボルトに緩みがあったため、増し締めを実施しました。ボルトの緩みは振動による影響が大きいため、定期的な増し締めが必要です。
担当者所感
今回のメンテナンスでは、大きな異常はありませんでしたが、ベアリングの摩耗やファンブレードの汚れなど、今後の運用で注意が必要なポイントが確認されました。特に、塗装ブースの排気ファンは24時間365日稼働していることが多く、突発的な故障が発生すると生産ライン全体に影響を及ぼします。
トラブルを未然に防ぐためには、定期点検と予防保全が不可欠です。今回のように異常の兆候を早期に発見し、適切なメンテナンスを行うことで、設備の長寿命化と安定稼働が実現できます。今後も継続的な点検を行い、安全で快適な作業環境を維持していきます。
お問合せはこちら
塗装ブース、乾燥炉、コンベアなど、工業塗装設備に関するトラブルを解決します。異音や定期メンテナンスの実施など、少しでも気になる点がございましたら、まずは私たちにご連絡ください。