固定炉の排気が乱れる原因は?異音トラブルの現場対応録(埼玉県春日部市)

固定炉の異常発生!迅速な現地対応でトラブルを最小限に

お客様より「固定炉の排気が不安定で異音がする」との緊急連絡を受け、現地に出張対応いたしました。固定炉は製品の焼成工程に不可欠であり、長時間の停止は生産ライン全体への影響が大きくなるため、迅速な原因調査と応急処置が求められます。点検の結果、循環ファンのモーターに焼損の兆候が見られ、回転数の著しい低下が確認されました。これにより炉内の空気循環が不足し、処理温度が安定しない状態でした。

このような異常が起きた場合、モーターの過負荷や内部絶縁劣化、ベアリングの摩耗などが主な原因として考えられます。現地では絶縁抵抗値の測定、振動診断、回転数の実測などを通じて、異常の早期特定に努めました。

中古モーターによる応急交換|0.4kW循環ファンモータの即日交換対応

今回の対応では、在庫として保管していた0.4kWの中古循環ファンモータを活用し、即日で交換作業を実施しました。新品の取り寄せには通常数日を要するため、稼働停止の影響を最小限に抑えるためには中古部品の活用が極めて有効です。

交換作業では、既設の羽根車(インペラ)を再利用する形でモーターの軸とカップリングの調整を慎重に行いました。芯出し作業にはレーザーアライメントツールを使用し、再発防止を徹底。また、既存のモーターは取り外し後に内部分解を行い、損傷部の分析も実施しました。これにより、再発防止のためのメンテナンスサイクルの見直しが可能になります。

中古部品活用のメリットとリスク管理

中古モーターの使用は、コスト削減と即時対応という面で大きなメリットがありますが、一方で内部劣化や寿命の見極めが難しいというリスクも伴います。今回のように信頼できる保守履歴付きの部品を使用し、事前に絶縁抵抗や軸受の状態確認を行うことで、リスクを最小限に抑えることが可能です。

また、定期的な予備品管理と記録によって、いざというときに使える中古部品を常備する体制の重要性が改めて確認されました。これにより、緊急時にも短時間での復旧が実現できます。

担当者所感

今回の案件では、異常発生から復旧までを24時間以内に完了させることができ、クライアント様からも高い評価をいただきました。中古部品の再活用という判断も、経験と記録に基づく技術的裏付けがあってこその選択です。今後も現場で求められる「即断・即決・即行動」の力を研鑽し、製造現場を支える縁の下の力持ちとしての役割を果たしてまいります。

お問合せはこちら

塗装ブース、乾燥炉、コンベアなど、工業塗装設備に関するトラブルを解決します。異音や定期メンテナンスの実施など、少しでも気になる点がございましたら、まずは私たちにご連絡ください。

TOP